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ROAD TO HAKONE

2022.01.14

第98回箱根駅伝 観戦記 -総合12位 シード権獲得ならず-

1区で11位と粘りの走りを見せた巻田選手のスタート直後
写真提供:月刊陸上競技1区で11位と粘りの走りを見せた巻田選手のスタート直後 写真提供:月刊陸上競技

観戦記

新春の1月2日・3日、東京・大手町から箱根芦ノ湖を往復する「第98回東京箱根間往復大学駅伝競走」(以下、箱根駅伝)(往路5区間107.1km、復路5区間109.6km、計10区間217.1km)が行われ、本学の駅伝チームは12年連続53回目の出場となった。

今年度は、練習形態を大きく変え、一人一人の力を確実に上げていく練習を重ねてきた。また、コロナウイルスの影響が残る中でも、その環境に適応しながら柔軟に練習を積み重ねた、箱根未経験者の活躍が目立つ大会となった。

【1区】
昨年は異例のスロースタートとなった1区だったが、今大会はハイペースでのレースが展開された。そしてその流れに柔軟に対応したのが、今回箱根駅伝初出走となった巻田理空選手(人間科学部2年)。5km過ぎでレースが動くが、そこでは集団に留まり、後方で他大学の様子を伺いながら落ち着いた走りを見せた。17km過ぎの六郷橋前では集団も大きく崩れ、多くの選手が飛び出した。若干出遅れるも粘りのある走りを見せた巻田選手は、終盤にこぼれてくる選手を抜き11位で2区へと襷を繋いだ。

【2区】
攻略の難しい2区に起用されたのは、前回大会4区を走り、今年チームのキャプテンを務めた西方大珠選手(人間科学部4年)。各校のエースが走る花の2区は、今大会も多くの注目選手が出走した。そんな中でも怯むことなく勇敢な走りを見せた西方選手。権太坂を越えてからの後半は、迫りくる大学を引き離し、1区からの流れを止めることなく、日本人選手区間10番でまとめ、12位で3区に繋いだ。

【3区】
3区で襷を受け取ったのは、前回大会6区で快走を見せた宇津野篤選手(人間科学部2年)。前半はシード権争いに加わるべく一気に前を詰め、他大学と並走。その後は単走になるものの、粘り強く自身のリズムを保ち、区間13番にまとめた。前回大会の経験を糧に、往路区間でも戦える強さを見せた。順位は3つ落としたものの、往路後半区間へ望みを繋ぐ襷リレーとなった。

【4区】
4区を任されたのは、巻田選手同様、箱根初出走で往路に起用された小林政澄選手(法学部2年)。序盤は単独走となるも自らリズムを作り、積極的に前を追った。中盤からは、追いついてきた他校の選手と並走し、苦しいところでペースを維持。最後の3Kmに待つ緩やかな登りで後続を一気に引き離す力走を見せると、区間順位を10位まで上げ、シード権を引き寄せる走りで5区へと繋いだ。

【5区】
箱根駅伝で最も過酷な区間の一つとされる山登りの5区を担ったのは、箱根駅伝初出走となった山﨑諒介選手(人間科学部3年)。10000mのタイムは本学エントリー中最下位、事前に大会出場がほとんど無く、ダークホース的存在となった。不安と期待が入り混じる中、山﨑選手は序盤からペースを安定させ、一定のリズムで山を登り切った。他大学の順位が目まぐるしく変動する中、序盤から前を行く大学を一つ一つかわすと、最終的には区間7番の快走。チームを12位まで押し上げ、翌日の復路でのシード権獲得に向けて、12秒と迫る走りを見せた。

  • 主将として意地の走りを見せた西方選手と3区で粘りの走りを見せた宇津野選手
主将として意地の走りを見せた西方選手と3区で粘りの走りを見せた宇津野選手
  • 往路12位で順位を押し上げた山﨑選手往路12位で順位を押し上げた山﨑選手

【6区】
最後3㎞の平坦が苦しい区間となる6区を任されたのは、最初で最後の箱根駅伝出走となる横澤清己選手(経済学部4年)。12秒前のシード権を追いかける形で復路のスタートラインに立ち、スタートから力強い走りで駆け上がり、一気に前の大学に追いついた。下り始めると総合10位まで押し上げるが、他大学も目まぐるしく順位が入れ替わり、5区同様に予測のつかない展開となった。シード権に絡みながら最後の3Kmに入るが、最後は思うように足も動かず、徐々に10位と差が広がってしまった。それでも4年生の意地を見せ、順位をキープしたまま襷を繋いだ。

【7区】
7区は前回3区で出走した川口慧選手(人間科学部4年)。今季は怪我により10月の予選会には間に合わなかったが、7区での出走となった。同学年が繋いだ襷を受け取り小田原中継所を飛び出した川口選手。前半積極的な走りで前との差を詰め、横澤選手同様、4年生の意地を見せた。結果的に順位を1つ落とす悔しい結果となってしまったが、前が見える位置で襷を繋いだ。

【8区】
遊行寺の坂が後半に控える8区を任されたのは、箱根駅伝初出走の大泉真尋選手(人間科学部2年)。予選会では10人目にゴールし、本大会出場を勝ち取った1人である。前半から軽快なリズムで前を追うが、前後ともになかなか差が縮まらない。15㎞過ぎに遊行寺の坂を登り始める頃には前を行く大学が近づいて来たが、終盤に元の差に戻るなど一進一退の攻防を見せ区間10位の力走を見せた。前との差を広げられることなく順位を保ったまま襷を繋いだ。

【9区】
復路最長区間の9区を走るのは、同じく2年生で箱根駅伝初出走の小林篤貴選手(人間科学部2年)。8区同様、前後の大学との差が大きく変わることがなく、終始一人での力走が続く中、残り5㎞で一気に前を行く大学の背中が大きくなった。動かない身体に苦しい表情を浮かべながらも必死に前を追い、約40秒縮め、神大記録を更新する、区間9位で襷を繋いだ。

【10区】
9人が繋いだ襷を胸に仲間が待つ大手町までの最終区間10区を走るのは、こちらも箱根駅伝初出走の有村祐亮選手(経済学部3年)。12秒前にいる大学を追いかける形で鶴見中継所を飛び出した。序盤は前の2区間同様、なかなか前後の差が変わらない苦しい展開となったが、後半に入り順位に変化が出始めた。15㎞を過ぎた頃から後続の追い上げを受けるが、有村選手も前を行く大学に追いついた。その勢いのまま、15秒以内に3校が絡み合う状態で残りの2㎞を通過すると、他大学とのデットヒートを制し大手町に飛び込んだ。初出場ながらも区間9位の力走を見せ、総合12位でフィニッシュした。

残念ながらシード権を獲得することはできなかったが、次年度へとつながる実りのある大会となった第98回大会は、往路12位、復路11位、総合12位で幕を閉じた。

  • 9区で神大記録を更新した小林篤貴選手9区で神大記録を更新した小林篤貴選手
  • 最後まで諦めない走りを見せてくれた有村選手最後まで諦めない走りを見せてくれた有村選手

選手コメント

1区 巻田 理空
今回は初めての箱根駅伝となり1区を走りました。序盤からハイペースで進み苦しい展開でしたが、最後まで冷静に粘り強く走れました。また、チーム全体も安定した走りをすることができましたが、シード権を獲得できませんでした。もっと強くなって来年こそシード権を獲得できるように頑張ります。2日間応援ありがとうございました。

2区 西方 大珠
応援ありがとうございました。今年は個人としてもチームとしても現状でのベストを出し切ることができた大会でしたが、シード権まであと僅かのところで掴み取ることができませんでした。この、あと僅かの差がとても大きなものであることを改めて感じました。しかし、今大会は3年生2人、2年生5人が出走していることや、各区間の区間順位など来年、再来年に希望の繋がるポジティブな要素の多い箱根駅伝ともなりました。箱根駅伝でのシード権獲得は後輩たちに託し、私は新たなステージで頑張っていきます。

3区 宇津野 篤
応援ありがとうございました。今年度は、思うように走れず苦しい1年でしたが、なんとか粘り強く走りきることができました。シード権獲得に向けて、また1年間全力で取り組みますので、今後もよろしくお願いします。 

4区 小林 政澄
応援ありがとうございました。直前に4区を走ることになり不安もありましたが、最低限まとめられたと思っています。来年はシード権獲得、区間上位で走れるように頑張っていきます。今後も応援よろしくお願いします。

5区 山﨑 諒介
応援ありがとうございました。チーム・個人ともに悔しい結果となってしまいました。自分がシード権内でゴールできていればと責任を感じました。来年は、今回の経験を活かしリベンジできるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。

6区 横澤 清己
2日間たくさんの応援ありがとうございました。個人としてはシード権を狙って前半から追いつこうと攻めましたが、残り3キロで失速してしまい、申し訳なかったです。この悔しさは、次のステージへの糧にして頑張りたいと思います。チームとしては12位とシードには届きませんでしたが、少しずつシード権に近づいているはずなので、来年こそは後輩たちが取ってくれると信じています。今後とも神奈川大学の応援よろしくお願いします。

7区 川口 慧
今大会は、大学生活最後のレースとして、また4年生としてチームを牽引するという強い気持ちで臨みましたが、不甲斐ない結果で終わってしまいました。しかし、今大会の結果は確実に収穫が多いレースだったと思います。チームとして、個人としても今大会の悔しさを糧にして、それぞれが目標とする舞台で活躍できるよう再スタートを切りたいと思います。応援ありがとうございました。

8区 大泉 真尋
応援ありがとうございました。2年生から箱根駅伝という貴重な経験ができ、少し悔いは残るものの、自分の走りができたと思います。シード権に届かず、また予選会からのスタートとなりますが、次こそはシード権を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします。

9区 小林 篤貴
応援ありがとうございました。大学最寄りの区間とのことで、大会までに頂いた皆さんの応援がとても力になりました。個人としては設定通りに走ることができたので良かったですが、ひとつも順位をあげることができなかったので悔しかったです。来年に向けてまた頑張りたいと思います。

10区 有村 祐亮
2日間、神奈川大学の応援ありがとうございました。初めての箱根駅伝は悔しい結果に終わってしまいました。今年1年、次回の箱根駅伝でシード権を取れる力を個人、チームともにつけていきます。

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